バラタナティヤムについて

■バラタナティヤム(Bharata Natyam)

バラタナティヤムは豊かな表現、力強いリズム、それに音楽の三つが同様に重要な役割を果たしている南インド、タミルナードゥ州発祥の古典舞踊です。インド四大古典舞踊のうち最古の伝統を誇っており、寺院から発生した祈り・神話の踊りです。現在の形は19世紀初め頃舞台芸術として整えられました。

バラタナティヤムは舞踊劇もありますが 基本的には女性のソロの踊りで 高度な技術と厳格な形が要求されます。アラマンディーと呼ばれる基本のポーズは、足を外輪に開き、膝を折って腰から下がひし形のようになるポーズで10世紀の寺院の彫刻からとられました。
足首に鈴をたくさんつけ 歯切れのよいステップを踏みながら 体や腕、指先、顔や目の動きでエネルギッシュにダイナミックに感情や物事を表現します。

踊りの形は ヌリッタ(純粋な踊り)と ヌリッティヤ(感情の表現)で構成されます。ヌリッタはリズムを協調した動きによる踊り。ヌリッティヤは アビナヤと呼ばれるマイムやジェスチャーを通した感情表現です。歌詞に対する舞踊主の解釈と深い理解を必要とします。

また、表現上最も重要な役割を持つのが ムドラーと呼ばれる手や 指のジェスチャーです。これによって 怒り、悲しみ、喜び、愛、動物、神、月、太陽、過去、未来などありとあらゆるものを演じることができ、ストーリーを展開していきます。しかし同じ ムドラーの形でも、踊りの種類によっては意味が異なる場合もあり、片手で演じるのと両手で演じるのとでは表すものが変わってきます。加えて、視線の動かし方や顔の表情でさらに複雑な心理状態を表現します。

バラタナティヤムの音楽と衣装